「AIに仕事を手伝ってもらおう!」
そう思って、話題のChatGPTなどのチャットAIに質問を投げかけてみたものの、どこか的外れな答えが返ってきたり、堂々と間違った情報を教えられたりして、「なんだ、この程度か…」「仕事に使うのはまだ早いな」と、がっかりした経験はありませんか?
もっと初心者でも簡単で便利さを実感できるAIツールがあったら教えてほしいと思いますよね。
もし、あなたがAIに対してそんな不信感や物足りなさを感じているのなら、ぜひこの先を読み進めてください。
この記事で紹介するGoogleの「NotebookLM」は、嘘をつかず、あなたが与えた信頼できる資料からしか答えない、誠実なAIです。しかも使い方は簡単でAI初心者でも全然問題ありません。なぜそんなことが可能なのか?そして、それが私たちの仕事にどれほどの安心と効率をもたらすのか?
AIへの見方が180度変わるかもしれない、新しい付き合い方をご提案します。
便利さを実感できる簡単ツールはこれ!
50代を迎え、会社ではベテランとして頼られる一方、日々の業務に追われ、新しいことを学ぶ時間も気力もなかなか湧かない…そんな風に感じてはいませんか?
- 部下や同僚から送られてくるメールに添付された、何十ページもあるPDF資料。
- 「あの件、どうなった?」と聞かれても、関連資料がどこにあるか思い出せない。
- DXや新しいマーケティング手法について学びたいが、分厚い本を読む気力がない。
- 会議の議事録、過去の企画書、山積みのマニュアル…情報が多すぎて処理しきれない。
こうした「情報との格闘」に、多くの時間とエネルギーを奪われている方は少なくないはずです。
そんな中、世間では「AI活用」が叫ばれています。ChatGPTなどのツールが話題ですが、「なんだか難しそうで初心者にはとっつきにくい」「質問の仕方が分からない」「若者が使うもので、自分には縁遠い」と感じ、一歩踏み出せずにいるのではないでしょうか。
もし、あなたが一つでも当てはまるなら、この記事はきっとお役に立てるはずです。
今回ご紹介するのは、Googleが提供する「NotebookLM」という無料のAIツール。これは、派手な機能で世間を驚かせるタイプのAIではありません。むしろ、私たちの日常的な「困った」にそっと寄り添い、驚くほど簡単な操作で、仕事や学習を力強くサポートしてくれる、まさに50代のビジネスパーソンにこそおすすめしたい、賢い相棒なのです。
この記事を読み終える頃には、「AIって、こんなに身近で便利だったのか!」と、きっと新しい扉を開くきっかけを掴んでいただけるはずです。
NotebookLMとは?
では、NotebookLMとは一体何なのでしょうか?
一言でいうなら、「あなたが持っている資料やデータだけを完璧に記憶し、その内容について対話できるAIアシスタント」です。
机の上に積まれた大量の書類や、パソコンのフォルダに眠っている過去の資料を、すべて頭に入れてくれる超優秀な秘書や司書を想像してみてください。NotebookLMは、まさにそれをデジタルで実現してくれます。
あなたがPDF、テキストファイル、Googleドキュメント、さらにはWebサイトのURLなどをNotebookLMに「学習」させると、その情報だけを基に、あなたの質問に正確に答えてくれるようになります。
ChatGPTとの違いは「信頼性」
ここで多くの方が疑問に思うのが、「ChatGPTと何が違うの?」という点でしょう。
この違いこそが、NotebookLMが50代におすすめである最大の理由であり、仕事で使う上での生命線とも言える「信頼性」に直結します。
一般的なチャットAIの大きな欠点は、前述した「ハルシネーション(幻覚)」です。知らないことでも、インターネットの膨大な情報からもっともらしい単語をつなぎ合わせ、自信満々に全くの嘘や、的外れな回答を生成してしまうことがあります。これでは安心して仕事の相談はできません。
一方、NotebookLMの回答の源泉は、あなたがアップロードした資料のみに限定されています。インターネットの海をさまようことはありません。そのため、資料に書かれている事実に基づいた、極めて正確な回答が期待できます。
そして、最も重要なのが、もしあなたが質問した内容が資料の中になければ、NotebookLMは知ったかぶりをして情報をでっちあげたりしない、という点です。
その場合は、「ソース内にその情報は見つかりませんでした」と、正直に「わからない」と回答してくれます。この「知らないことは知らないと言える誠実さ」こそ、仕事を任せるパートナーとして最も重要な信頼性につながるのです。
NotebookLM | ChatGPT | |
---|---|---|
知識の源 | あなたがアップロードした資料のみ | インターネット上の膨大な情報 |
信頼性 | 極めて高い。元資料にないことは答えない。 | 時に嘘や間違い(ハルシネーション)がある。 |
得意なこと | 資料の要約、特定情報の検索、内容に基づいた分析 | アイデア出し、文章作成、一般的な質問への回答 |
プライバシー | あなたの資料が、AIの全体学習に使われることはない | 入力した情報が、AIの学習データとして利用される可能性がある |
ChatGPTが「博識だけど、時々話を盛る面白い同僚」だとしたら、NotebookLMは「口数は少ないが、聞いたことには100%正確に答え、知らなければ黙っている、信頼できるベテランの相棒」です。
NotebookLMを初心者が使うべき3つの理由
では、具体的にNotebookLMが私たちのどんな悩みを解決してくれるのでしょうか。ここでは、特に50代のビジネスパーソンが直面しがちな3つの課題に沿って、その実力を解説します。
理由1:大量の資料も瞬時に要約・時短を実現
「金曜の夕方、明日はゴルフの予定だったのに、上司から50ページを超える企画書PDFが送られてきて『月曜の朝までに目を通しておいて』と言われた…」
こんな絶望的な状況、経験ありませんか?
以前なら、必死でページをめくり、マーカーを引き、要点をまとめるのに数時間を費やしていたかもしれません。
しかしNotebookLMがあれば、その作業は数分で終わります。
やり方は簡単。そのPDFファイルをNotebookLMにアップロードし、こう質問するだけです。
- 「この企画書の要点を3つにまとめて」
- 「このプロジェクトの目的と課題、解決策を箇条書きで教えて」
- 「私が担当する営業部の視点で、特に重要な部分を抜き出して」
すると、AIはあなたが指定した資料だけを基に、的確な答えを瞬時に返してくれます。もう、すべての文章に目を通す必要はありません。AIがあなたの代わりに「読んで」、重要な部分だけを教えてくれるのです。
これにより、情報収集にかかる時間を劇的に短縮し、内容の理解や次のアクションを考えるという、本来人間がやるべき本質的な業務に集中できます。
理由2:あなた専用の検索エンジンになる
「3年前にやった、あのAプロジェクトの最終報告書、どこに保存したかな…」
「去年参加したセミナーの資料、確か参考になるデータがあったはずだけど…」
パソコンのフォルダを一つひとつ開いて探し物をしたり、過去のメールを延々と遡ったり…こうした「探し物」に費やす時間は、実にもったいないものです。
NotebookLMは、こうした悩みからもあなたを解放してくれます。
関連するプロジェクトの資料や、過去の議事録、参考資料などをまとめて一つの「ノートブック」に放り込んでおけば、そこはあなただけの「専用検索エンジン」に早変わりします。
例えば、過去のプロジェクト資料をすべて学習させた状態で、こう質問します。
- 「Aプロジェクトの時の、最終的な予算はいくらだった?」
- 「B社との会議で、懸念事項として挙がっていた点は何?」
Googleで検索するように、自然な言葉で質問するだけで、AIが膨大な資料の中から該当箇所をピンポイントで見つけ出し、出典元(どの資料の何ページ目か)と共に示してくれます。
もう、記憶力だけに頼る必要はありません。NotebookLMが、あなたの第二の脳として、過去の資産をいつでも引き出せる状態にしてくれるのです。
理由3:効率的な学習パートナーになる
50代になっても、学び続ける意欲は失いたくないもの。しかし、現実には体系的な学習の時間を確保するのは難しいものです。
- 「話題のDXに関する本を買ったけど、最初の数ページで挫折してしまった(積読状態)」
- 「業界の最新動向を知りたくてWeb記事をいくつか読んだけど、情報が多すぎて頭に入ってこない」
NotebookLMは、そんなあなたの学習効率を飛躍的に高めるパートナーになります。
例えば、購入した電子書籍のファイルや、気になったWeb記事のURLをNotebookLMに読み込ませます。Webの記事だけでなくYouTubuなどの学習動画のURLでもOKです。そして、対話形式で学習を進めるのです。
- 「この本で、著者が最も重要だと主張していることは何?」
- 「第3章の内容を、中学生にも分かるように説明して」
- 「これらの記事に共通する、今後の市場トレンドを3つ教えて」
一方的に読むだけでなく、AIと対話しながら、要点を確認したり、疑問をぶつけたりすることで、知識の定着率が格段に向上します。分厚い本や難解なレポートも、まるで優秀な家庭教師と一緒に読み解いていくように、自分のペースで効率的にインプートできるのです。
【50代の初心者でも簡単】NotebookLMの基本的な使い方3ステップ
ここまで読んで、「便利そうだけど、やっぱり設定が難しいんじゃ…」と思われた方、ご安心ください。NotebookLMを始めるのに、専門知識は一切不要です。本当に簡単な3ステップで、AI初心者でも今日からすぐに使い始めることができます。
ステップ1:Googleアカウントでログインする
まずはNotebookLMの公式サイトにアクセスします。必要なのは、普段お使いのGoogleアカウント(Gmailなど)だけ。特別なソフトウェアのインストールは必要ありません。サイトにアクセスし、「NotebookLMを試す」といったボタンをクリックし、Googleアカウントでログインすれば準備完了です。


ステップ2:資料をアップロードする(PDF、テキスト、Webサイト)
次に、AIに学習させたい資料をアップロードします。画面には「ソースを追加」といったボタンがありますので、そこから資料を選びます。
- PCからアップロード: パソコンに保存されているPDF、Word、テキストファイルなどを直接選べます。
- Googleドライブから: Googleドライブに保存しているドキュメントやスプレッドシート、PDFなども連携できます。
- WebサイトやYouTubeのURL: 参考になるニュース記事やブログ記事、そしてYouTube動画のURLを貼り付けるだけでOKです。特にYouTubeの場合は、動画の字幕(トランスクリプト)を自動で読み込み、動画の内容について質問できるようになります。
- テキストを貼り付け: メール本文など、ファイルになっていない文章は、直接コピー&ペーストで読み込ませることも可能です。
複数の資料をアップロードすると、それらが一つの知識の源(ソース)となります。

ステップ3:質問して回答を得る
資料のアップロードが終われば、あとは画面下のチャット欄に、普段話すような言葉で質問を入力するだけです。難しく考える必要は全くないので初心者でも簡単に使えます。
<すぐに使える質問例>
- 要約する:
- 「この資料を300字で要約して」
- 「重要なポイントを箇条書きで5つ教えて」
- 情報を探す:
- 「〇〇という単語が出てくる箇所をすべて教えて」
- 「契約日について書かれているのは何ページ?」
- 内容を理解する:
- 「この技術的な専門用語の意味を、初心者向けに説明して」
- 「このグラフが示していることは何?」
- アイデアを得る:
- 「この議事録を基に、次回の会議のアジェンダ案を3つ作って」
- 「このレポートの課題点を踏まえて、改善策のアイデアを出して」
まずは簡単な質問から試してみて、AIとの対話に慣れていくのがおすすめです。

【明日から使える】NotebookLMの具体的な使い方|シーン別活用アイデア4選
最後に、より具体的な活用シーンを3つご紹介します。あなたの仕事や暮らしに当てはめて、ぜひイメージを膨らませてみてください。
仕事編:会議の議事録やマニュアルの要約
毎週月曜の定例会議。参加できなかった先週の議事録(5ページ)に目を通す必要があります。NotebookLMにその議事録ファイルをアップロードし、「先週の会議の決定事項と、私に関係するタスクをリストアップして」と質問。わずか10秒で、自分がやるべきことを正確に把握し、スムーズに業務を開始できます。
また、新しく導入されたシステムの分厚いマニュアルを読み込ませておけば、操作に迷ったときに「〇〇をするにはどうすればいい?」と聞くだけで、該当ページを教えてくれる社内ヘルプデスクとしても活躍します。
学習編:Web記事や電子書籍の要点学習
自己啓発のために、著名な経営者のインタビュー記事を10本見つけたとします。それらのURLをすべてNotebookLMに読み込ませ、「この10人の経営者に共通する、成功のための習慣は何?」と質問。AIが10本の記事を横断的に分析し、共通項を抽出してくれます。
一本一本読むだけでは気づけなかった、深い洞察を得ることができるかもしれません。資格試験の勉強で、教科書のPDFを読み込ませて、自分だけのQ&A集を作る、といった使い方も強力です。
動画編:YouTube動画の文字起こし&要約
見たいと思っていた専門家の対談動画(90分)や、海外の大学の公開講座など、興味はあるけど長くて見る時間がない…ということはありませんか?NotebookLMにそのYouTubeのURLを貼り付ければ、動画の内容(字幕)がすべてテキストとして読み込まれます。
あとは、「この動画で最も重要な議論は何ですか?」「〇〇について語っているのは何分ごろですか?」と聞くだけ。長い動画を再生せずとも、そのエッセンスだけを効率的に吸収できます。
暮らし編:取扱説明書を一元管理
意外と便利なのが、暮らしの中での活用です。家のプリンター、洗濯機、テレビ、エアコン…すべての取扱説明書のPDFを公式サイトからダウンロードし、NotebookLMに「我が家の家電」というノートブックを作って保存しておきます。
ある日、洗濯機に「E13」というエラー表示が出たとき、分厚い保証書のファイルを探す必要はありません。スマホからNotebookLMに「洗濯機のエラーE13の原因と対処法を教えて」と聞くだけで、即座に解決策を知ることができます。これは、まさに未来の暮らしの形です。
応用編:ノート機能で独自の知識ベースを構築
複数の資料から得た情報をノートにまとめ、それをさらに発展させましょう。例えば、市場調査レポート、競合のWebサイト、関連ニュース記事を読み込ませ、それぞれの要約をノートに保存します。次に、それらのノートを見ながら、新しい企画の骨子を自分の言葉で「新しいノート」に書き出します。最後に、「この企画案について、ソース資料を基に考えられるリスクを指摘してください」とAIに壁打ちを依頼する。このように、NotebookLMはあなたの思考を整理し、強化するための最高のパートナーになります。
NotebookLMを使う上での注意点(苦手なこと)
非常に便利なNotebookLMですが、万能ではありません。使う上で知っておきたい注意点も正直にお伝えします。
- 手書き文字や複雑なレイアウトは苦手: スキャンした書類の手書きメモや、図やグラフが非常に多いPDFは、テキストを正確に認識できない場合があります。
- ファイルサイズや数に上限がある: 一度に大量の資料(ソースは最大20個までなど)をアップロードするには制限があります。プロジェクトごとにノートブックを分けるなどの工夫がおすすめです。
- 一般的な知識は知らない: NotebookLMの知識は、あなたが与えた資料がすべてです。資料にない時事問題や一般的な事柄について質問しても答えることはできません。
- 創造的なアイデア出しは限定的: あくまで資料に基づいて回答するため、ゼロから何かを生み出すような、突飛なアイデア出しはChatGPTなどのほうか得意な場合があります。
これらの「苦手なこと」を理解した上で、その得意な「資料ベースの正確な応答」を活かすことが、賢い使い方と言えるでしょう。
まとめ:NotebookLMはAI初心者にこそおすすめのツール
今回は、50代のビジネスパーソンにこそおすすめしたい、簡単・安心・便利なAIツール「NotebookLM」をご紹介しました。
AIと聞くと、どうしても「最先端で複雑なもの」「嘘や間違いが多くて仕事には使えない」というイメージが先行しがちです。しかし、NotebookLMは違います。私たちの身近な悩みである「情報整理」という課題に的を絞り、「信頼性」を第一に、AI初心者でも直感的に使えるように設計された、非常に「ちょうどいい」ツールなのです。
- 読む時間を、考える時間に。
- 探す時間を、創る時間に。
NotebookLMを使いこなすことで、日々の雑務から解放され、あなたが長年培ってきた経験や知識を活かすべき、より本質的で創造的な仕事に時間とエネルギーを注ぐことができるようになります。
利用は無料です。
まずは、あなたのパソコンに眠っている、あの「読むのが面倒だった資料」を一つ、NotebookLMにアップロードしてみませんか?
きっと、あなたの明日からの仕事と学習が、少しだけ軽やかになるはずです。AIとの信頼できる関係を、この誠実な相棒と共に築いていきましょう。